完成した作品が数年で退色してしまうのは、顔料の耐光性が低いことが原因のひとつです。画材を選ぶとき、発色の美しさと同じくらい耐光性を確認することが、長期保存を前提とした制作では重要です。この記事では、耐光性の基本的な考え方と、商品ラベルに記載されているライトファストネスの読み方を説明します。

耐光性とは何か

耐光性とは、光(特に紫外線)にさらされたときに顔料の色がどれだけ変化しにくいかを示す指標です。耐光性が低い顔料は、数年で退色したり、色相が変化したりします。美術館に収蔵される作品には、耐光性の高い顔料を使うことが求められます。一般的な制作でも、長く飾ることを前提とするなら、耐光性を確認してから顔料を選ぶことをお勧めします。

ASTM基準の読み方

顔料の耐光性は、ASTM(米国材料試験協会)の基準で評価されることが多く、I(最高)からV(最低)の5段階で表示されます。プロの制作に使う顔料は、最低でもII以上を選ぶことが一般的です。コバルトブルー(PB28)はASTM Iに分類され、最も耐光性の高い顔料のひとつです。一方、一部の有機顔料(キナクリドン系など)はIIIやIVに分類されるものもあります。

Cobalt Shadowbrook の耐光性テスト

Cobalt Shadowbrook では、取り扱い顔料の耐光性を独自にテストしています。UV-A 340nmの紫外線ランプを500時間照射した前後の色差(ΔE)を測定し、その結果を商品ページに掲載しています。コバルトブルー(PB28)は500時間照射後のΔEが0.8で、実用上ほぼ退色なしと判断できる結果でした。このデータは、顔料を選ぶ際の参考にしてください。

耐光性の低い顔料の使い方

耐光性の低い顔料が必ずしも使えないわけではありません。スケッチや習作、短期展示を前提とした作品では、発色の美しさを優先して選ぶこともあります。ただし、その場合は作品に使用した顔料の耐光性を記録しておくことをお勧めします。将来的に修復や複製が必要になったとき、使用顔料のデータが役立ちます。

顔料の耐光性は、作品の寿命に直結します。Cobalt Shadowbrook では、取り扱い顔料の耐光性データを商品ページで公開しています。顔料選びの際にぜひ参考にしてください。