コバルトブルーは、18世紀初頭にフランスで合成された顔料で、現在も多くのプロの画家が手放せない青のひとつです。市販の絵具に「コバルトブルー」と書いてあっても、顔料濃度や分散媒の違いによって、発色・透明度・乾燥後の色変化が大きく異なります。この記事では、顔料としてのコバルトブルー(カラーインデックス名:PB28)の特性を整理し、油彩・アクリルそれぞれでの選び方を具体的に説明します。
コバルトブルー(PB28)とは何か ¶
コバルトブルーの化学名はコバルトアルミン酸塩(CoAl₂O₄)です。耐光性が非常に高く、ASTM基準でライトファストネスI(最高評価)に分類されます。透明度は中程度で、薄く溶いても深みのある青が出る一方、厚塗りすると不透明感が増します。フタロシアニンブルーのような鮮やかさはありませんが、落ち着いた空の青や水の深みを表現するのに向いています。
油彩用コバルトブルーの選び方 ¶
油彩用の場合、顔料濃度(ピグメントロード)が高いものを選ぶと、少量で深い発色が得られます。ロイヤルタレンス社やウィンザー&ニュートン社の製品は顔料濃度が高く、伸びもよいため、プロの画家に長く使われています。乾燥速度はリンシードオイルを媒体とした場合、表面乾燥まで2〜4日かかります。速乾性を求める場合は、アルキドメディウムを少量混ぜる方法もあります。
アクリル用コバルトブルーの選び方 ¶
アクリル用は、ヘビーボディとフルイドの2タイプから選ぶことになります。ヘビーボディは粘度が高く、ナイフ盛りや厚塗りに向いています。フルイドは粘度が低く、屋外スケッチや薄塗りの技法に適しています。アクリルは乾燥後にわずかに彩度が落ちる傾向があるため、完成時の色を想定して少し鮮やかめに塗るのがコツです。グロスメディウムを混ぜると、乾燥後の彩度低下を抑えられます。
コバルトブルーと混同しやすい青の違い ¶
画材店でよく見かける青には、コバルトブルーのほかに、ウルトラマリン(PB29)、フタロシアニンブルー(PB15)、セルリアンブルー(PB35)があります。ウルトラマリンは赤みがかった深い青で、コバルトブルーより透明度が高い。フタロシアニンブルーは鮮やかで着色力が強く、混色時に他の色を圧倒しやすい。セルリアンブルーは明るく空色に近い青です。それぞれの特性を理解した上で使い分けることが、色の幅を広げる近道です。
購入前にサンプルで試すことをすすめる理由 ¶
同じ「コバルトブルー」でも、メーカーによって顔料濃度・粘度・透明度が異なります。カタログの色見本は印刷の都合で実際の発色と異なることが多く、モニターの色も参考程度にしかなりません。実際に自分のキャンバスに塗り、乾燥後の色変化を確認してから本購入を決めることが、長い目で見て無駄のない選択につながります。Cobalt Shadowbrook では5mlサンプルチューブを用意しているので、まず試してみてください。
コバルトブルーは、一度その発色の深さを知ると、他の青では物足りなくなる顔料です。油彩・アクリルどちらの技法でも、顔料の特性を理解した上で使うことで、作品の質が変わります。選び方に迷ったら、実店舗またはお電話でご相談ください。